2019年に発売されたVRにはOculus Rift S、Oculus Quest 、HP Reverbとそれぞれ個性のあるものがそろっています。
その中でこれまでのハイエンドVRと言えば
「HTC Vive かOculus Rift」
という流れがありましたが、
その流れを変えてしまいそうなかなり期待できるHP ReverbというVRについて今回はスペック面から比較していきたいと思います。
ちなみにHP Reverbは2019年4月下旬発売というアナウンスがありました
→2019年7月にコンシューマーエディション・プロエディション共に発売されました
スペックを表から比較
国内価格(税込) 単位円 | 解像度 | リフレッシュレート | 視野角 | 重量 | 接続機器 | トラッキング方式 | プラットフォーム | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HP Reverb![]() | 67000 | 4320 x 2160 (LCD) | 90Hz | 114度 | 450g | PC | インサイドアウト方式(外部センサー不要) | Windows Mixed Reality Steam |
Oculus Quest![]() | 50000 | 2880×1600 (有機EL) | 72Hz | 100度 | 470g | なし | インサイドアウト方式 (外部センサーなし) | Oculus Store Steam |
Oculus Rift S![]() | 50000 | 2560×1440 (液晶パネル) | 80Hz | 110度 | Oculus Riftより少し重い | PC | インサイドアウト方式(外部センサーなし) | Oculus Store Steam |
Oculus Rift![]() Oculus Rift | 45000 | 2160×1200 (有機EL) | 90Hz | 110度 | 470g | PC | アウトサイドイン方式 (付属の赤外線センサーを使用) | Oculus Store Steam |
Oculus Go![]() Oculus Go - 64 GB | 25000 | 3560×1440 (WQHD液晶パネル) | 72Hz | 110度 | 468g | なし | インサイドアウト方式(内臓ジャイロ) | Oculus store |
HTC Vive![]() 【国内正規品】 HTC VIVE (コンシューマーエディション) 【Amazon.co.jp限定】オリジナルPC壁紙配信 付 | 82000 | 2160×1200 (有機EL) | 90Hz | 110度 | 468g | PC | アウトサイドイン方式 (付属のベースステーションを使用) | Steam Viveport |
HTC Vive Pro![]() HTC VIVE PRO 99HANW009-00 | 145000 | 2880×1600(有機EL) | 90Hz | 110度 | 765g | PC | アウトサイドイン方式 (付属の赤外線センサーを使用) | Steam viveport |
PSVR![]() PlayStation VR Special Offer | 37000 | 1920 ×1080 (有機EL) | 90Hz/120Hz | 100度 | 600g | PS4 | アウトサイドイン方式(付属のPlayStation Cameraを使用) | PlayStation Store |
Windows MR (Odyssey除く)![]() Dell ヘッドマウントディスプレイ Dell Visor with Controllers VRP100/Windows MR/VR/AR | 54000 | 2880×1440 (LCD) | 60Hz/90Hz | 90度~105度 | 平均450g程度 (メーカーによる) | PC | インサイドアウト方式(外部センサー不要) | Windows Mixed Reality Steam |
Odyssey![]() HMD Odyssey VR Headset | 55000 | 2880 x 1600(有機EL) | 90Hz | 110度 | 590g | PC | インサイドアウト方式(内臓ジャイロ・カメラ) | Windows Mixed Reality Steam |
スペックをざっと眺めてまず思うのが、解像度や視野角、トラッキング方式に関してHPは本気でVRを作りに来ているな、ということです。
今のところ有名メーカーから発売されているVRで最も高性能なものと言えばHTC Vive Proが思いつきますが、
単純な解像度ではその約1.3倍でありながら価格はその半分程度、また重さは3分の2と
それだけでもこのVRの性能がどれほど優秀かわかると思います。
最高の解像度と「スクリーンドア効果」
(右のHTC Viveに見られる網目状の問題、有機EL特有)
まずはVRを考えるうえで最も没入感に関係する解像度について見ていきましょう。
HP Reverb の解像度は 4320 x 2160
と、今のところ有名メーカーから発売されているものの中では最高の解像度を誇ります。
そして、今回HPがこだわった点として挙げていたのが
"スクリーンドア効果" と呼ばれる画面に網目状の模様が見えてしまうという問題をどれだけなくすかということでした。
そのためにまずパネルの種類に"スクリーンドア効果"の起こりにくい
"LCDパネル"を採用し、
そのうえで過去最高の解像度にするという手段をとったようです。
LCDパネルとは
LCDパネル(liquid crystal display)とは液晶ディスプレイのことで
メリットとしては先ほど挙げたように"スクリーンドア効果"が起こりにくいこと、
デメリットとしては黒の表現が有機EL(HTC Viveなどに採用)に比べややはっきりとしないというものがあります。
さらに広がった視野角
HP Reverbでは過去最高となる114度の視野角を実現しています。
視野角に関してはまず人間の視野角の広さから考える必要があります。
人間の視野角は左右に約200度程度と言われています。
ここで気になるのが「VRの視野角は人間の視野角の半分程度しかないということは半分は真っ暗になってしまうのではないか」
ということです。
しかし人間は実際ピントを合わせられる視野角には限界があり、その角度は
識別できる範囲まで広げたとしても110度程度のようです。
今までのVRでの一般的な視野角が90度であり、
こんかいHP Reverbが採用したのが114度でしたが、114度という数字はこの110度をしっかりカバーしており
おそらくこの数字を意識して作られたのではないかと考えられます。
つまりいままでのVRでの
「視界の端は暗いがコンテンツに集中したら気にならない」
という段階から
「最初から視野角に不満を感じない」
ということになってくると思います。
プラットフォームと遊べるゲームの種類
HP Reverbが対応しているコンテンツについて考えていきます。
ここまでスペックから考えるとかなり魅力的に見えたと思いますが、それでもプレイできるコンテンツが少なければ意味がありません。
そこで現在HP Reverbが含まれるWindows MRという種類のVRが対応しているコンテンツを紹介していきます。
steamに対応している
2017年からWindows MR for steamという形でWindows MRにもsteamは対応が完了している。
当時はsteam上でWindows MRを利用している人は少なく、実際対応しているゲームはごく僅かでしたが
現在はsteam上でのWindows MRユーザーの割合が8%を突破しておりよほどのマイナーゲームや個人製作ゲームを頻繁にプレイしたい人以外は何の問題もなくsteamを楽しめるでしょう。
これからHP Reverbなど安くて高性能なWindows MR製品の後押しもありこのWindows MRユーザーの数もさらに増えていくことが予想されます。
プラットフォーム「Windows Mixed Reality」にも対応
ゲームを主にプレイすることが目的の人は正直先ほどのsteam対応のみでも十分ですが、
さらに「Windows Mixed Reality」というプラットフォームにも対応しています。
「Windows Mixed Reality」では地図系のアプリやVR上で動くデスクトップなどゲームに限らず数多くのアプリ系のコンテンツがあります。
アプリ等はMicrosoft StoreからDL可能となっています。
必要なPC性能
ここまでかなり不満のない評価をしてきましたが、唯一欠点とまではいかないものの問題となってくるのが
要求されるPCのスペックが通常のVRより高いことです。
通常要求されるVR用PCの性能と言えば下の記事で詳しく解説しましたが
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【これを選べば大丈夫】VRに最適なPCの選び方とおすすめ【Oculus Link対応】
PCを使用したVRを始めようと思ったときにVRデバイスの他に考えなければならないのがVRに最適なPC選びです。 VRでVRchatとかskyrimとかやってみたいけどPCどれを買えば良い ...
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CPU Intel™ Core™ i5-4590以上
GPU NVIDIA GeForce™ GTX 1060
メモリ 8 GB RAM以上
というのが推奨スペックになりました。
しかし今回 HP Reverbを動かす上でHPの関係者の話す推奨スペックについては
「HPの関係者はGeForce GTX 1080またはGeForce RTX 2070の使用をお勧めします。」
ということなので
通常要求されるものの一段階上のスペックが要求されることになります。
ひとまずこのスペックを満たしたうえでコスパ重視で選ぶとするならばGPUに関しては
名称 | ビデオメモリ | 性能目安 | 値段目安(円) | コスパ (性能目安÷値段目安×10000) |
---|---|---|---|---|
RTX2080Ti | 11GB | 1053 | 160000 | 65 |
RTX2080 | 8GB | 898 | 90000 | 99 |
RTX2070 | 8GB | 871 | 60000 | 145 |
RTX2060 | 6GB | 855 | 45000 | 190 |
GTX1080Ti | 11GB | 909 | 85000 | 106 |
GTX1080 | 8GB | 715 | 100000 | 72 |
GTX1070Ti | 8GB | 660 | 70000 | 94 |
GTX1070 | 8GB | 594 | 40000 | 149 |
GTX1660 | 6GB | 546 | 25000 | 218 |
GTX1060 | 6GB | 441 | 25000 | 176 |
GTX1060 | 3GB | 410 | 25000 | 164 |
上の表から考えるにRTX 2070を選ぶのが賢い選択となるので
RTX 2070を搭載しているものから探すと下のようになります。
スペックを満たし、コスパを重視しておすすめできるPC3台
一位
LEVEL-M0B4-R52X-TOR [Windows 10 Home]
二位
LEVEL-M0B4-R52X-TOR [Windows 10 Home]
三位

LEVEL-M039-i5K-TOVI [Windows 10 Home]
まとめ~2019年の選択肢となるか~
2019年の選択肢となるか、ということですが
間違いなくOculus Rift S,Oculus Quest と並び大本命の一台となるでしょう。
これから今までのVRの常識を覆すような機能を持ったものが出てくるかもしれませんが、ハードウェア面でクリアしたとしてもコンテンツが追い付くには時間がかかるため
今回のように地道なバージョンアップを実現できたVRデバイスが覇権を取っていく期間は少なくともこれから3年ほど続きそうです。
まとめ
・HP Reverbのスペックは過去最高レベル
・付け心地など細かな点も改善されている
・利用できるコンテンツ量も十分
・唯一PCの要求スペックが高いことが気になる
(参考 https://www.pcworld.com/article/3367755/hp-reverb-vr-headset-price-features-hands-on.html)
下の記事にて付け心地などについて解説をしていますので良ければ参考にしてください。
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【2019年4月発売】HPが新製品VR HP Reverb を発表【スペック比較】
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